dp world tour 2026年4月29日、長野県千曲市に伝わる「雨宮の御神事」。
3年に一度、しかもコロナ禍を経て9年ぶりの通常開催。ついに、拝見できた。
この祭り最大の特徴は、なんといっても「橋懸り」。4頭の獅子が橋から逆さに吊るされ、沢山川の水面へと近づいていく。水に触れた獅子頭を激しく振り、災厄や怨霊を川へ流し去る。あまりにも異様で、神秘的な光景だった。
行列は、天狗面の御行司を先頭に、陰獅子・宝珠獅子・陽獅子、六大神、御鍬、児踊り、中踊りらが加わる大規模なもの。若宮社、北町、御旅所を巡り、後半には太鼓が激しく打ち鳴らされ獅子が走り出す「早駆け」、観客が獅子の紙飾りを剥ぎ取る「化粧落とし」、そして、「橋懸り」へと続いていく。
獅子に貼られた大量の和紙は厄除けを意味し、剥がした紙は家に持ち帰ると疫病除けになるという。残った紙は橋懸りで川へ流される。つまり、この祭りは「厄を水へ流す」祭礼なのだ。
さらに驚いたのは、この祭りの起源。伝承によれば、豪族の浮気をきっかけに亡くなった女性「雲井の前」の怨霊鎮めとして始まったという。疫病・洪水・蝗害を鎮め、五穀豊穣を祈る御霊会的な祭りとして、500年以上続いてきた。橋から吊るされた獅子は、恐ろしくもあり、美しくもあった。謎が謎を呼ぶ、本当に深い祭りだった。
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