小麦価格や電気・ガス代などの厳しい物価高にさらされてきたパン店。
しかし今、『コメ』の価格高騰を背景に業績好転の兆しが出ています。
「売り上げ毎月伸びている」福岡市のパン店
福岡市早良区にあるパン店『BAKELUCK』。店内には、元イタリアンのシェフとパティシエ、夫婦2人が作る60種類ほどのパンが並んでいます。
今年に入り毎月20万円~30万円ずつ売り上げが伸びていて、特に食パンや総菜パンの売れ行きが好調だといいます。
BAKELUCK オーナー libano 山口竜大朗さん
「売上増に伴い、毎月生産量は上がっています。早い時は、午前中に売れてなくなってしまうので、それに応じてその次の週はちょっと増やそうかなとか」
パン店の倒産件数が半減
民間の調査会社、東京商工リサーチによりますと、小麦価格や電気・ガス代などの高騰でパン店の倒産件数はここ3年増加していました。
しかし今年は、4月までの倒産件数が全国で7件と、去年の同じ時期に比べほぼ半数に減少しています。
その背景にあるとみられるのはコメの価格高騰。
東京商工リサーチの担当者は、「家計防衛のためパンの需要が盛り返した可能性もある」と分析しています。東京商工リサーチの推計では茶碗1杯のご飯(100グラム)がおよそ50円に対して、食パン1枚(6枚切り)は35円。
コメに比べて、コスパのよいパンが、いま注目されているというのです。
BAKELUCK オーナー 山口竜大朗さん
「お客さんも『コメ今高いわよね』って来られる方もいらっしゃいます。お米が買えないことで食パンやフォカッチャとか、食事系を求める方が多いなという実感あります」
消費者「「パンの出現率、高くなっています」
街で消費者に聞きました。
パンが食卓にのぼる回数は増えていますか。消費者「朝はパンで、夜はやっぱリお米」消費者「パンの出現率が高くなっています。やっぱりコメの価格が上がってるからですかね。普段からパンが多いんですけど、もっと多くなったと思います」消費者「コメの回数は減りました。朝はご飯を食べるようにしているけど、お昼ご飯はパンやパスタが多くなりました」
パン店、需要増も不安材料はある
ただ、パン店も不安材料がないわけではありません。
様々な原材料価格の値上がりが続いています。
「BAKELUCK」オーナーの山口さんによると、去年と比べチョコレートの価格は5倍~6倍、オリーブオイルの価格は、3倍~4倍になりました。
このままでは、商品の値上げを検討せざるを得ない状況だと話します。
BAKELUCK オーナー 山口竜大朗さん
「今300円~400円で販売しているパンが、500円じゃないと利益がとれないような状況です。実際に500円でお客さんが買ってくれるかどうか、どうやって生き残っていけるかを模索していかなければいけません」
コメ価格が下がったら”客離れ”への心配も
コメの価格高騰などによって、パンの需要が伸びる中、さらに、山口さんが懸念するのはコメの価格が落ち着いた後のことです。BAKELUCK オーナー 山口竜大朗さん
「お米の供給が整った時に、お客さんがどれだけ離れていくのかという危機感はあります。そうなった時に、毎日丁寧な仕事をして少しでもファンを増やしていくしかないのかなと思います」
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