10月7日、東京大学グローバル・コモンズ・センター(CGC)は、理化学研究所(理研)と共催し、「グローバル・コモンズ・フォーラム 2025」を、東京大学弥生講堂一条ホール/オンラインのハイブリッド形式で開催しました。
セッション5: AIと高性能計算は答えとなるか? グローバル・コモンズの目標に向けた現代AIとそのインフラの光と影
松岡聡センター長(理研 計算科学研究センター)がモデレーターを務め、自然資本と持続可能な経済の実現に向けて、AI(人工知能)、HPC(高性能コンピューティング)、大規模データの活用がどのように貢献し得るかを議論しました。Martin Stuchtey氏(The Landbanking Group)は、自然を含めた資本がAIによって判断・分配される未来に備える必要性や、人類が「別の知性に置き換え可能な存在」として扱われる懸念を指摘しました。Thomas Schultess氏(スイス国立スーパーコンピューティング・センター)は、気象予報の分野での予測精度向上の実績を例に挙げ、オープンで透明性の高い科学的アプローチの重要性を強調しました。また、北野宏明氏(ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL))はAIの最大の貢献が、複雑系科学の限界を超える「科学者としてのAI」であると述べ、技術開発への強い期待を述べました。AIは自然資本の評価に不可欠なツールと認識された一方、AIやスーパーコンピューターが膨大な電力を消費するという現実も踏まえ、グローバル・コモンズの保全という目標のために新たにAIを設計し制御していくためのフレームワークが必要であることを確認しました。さらに、GAFAなどの少数の巨大テック企業が主導するAI開発の現状のもと、「グローバル・コモンズ(共有財)の理念と整合性のある、公平で透明性のあるAIモデル構築のためには、幅広いステークホルダーのネットワークを展開し、あらゆる文化や地域が公平に扱われる未来を築くことが鍵であるとの理解を共有しました。
登壇者
- Hiroaki Kitano (President & CEO at Sony CSL)
- Thomas Schultess (ETH-CSCS)
- Martin Stuchtey (CEO, The Landbanking Group)
- モデレーター松岡 聡 (RIKEN)
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